冬のキャンプは人も少なく、澄んだ空気が心地良いもの。
雪中キャンプであれば雪遊びもできて、子どもも楽しく過ごせます。
でも、防寒対策が重要となる冬は、寒さからくる低体温症に注意しないといけません。
低体温症は大人も子どももなりますが、特に子どもは体が冷えやすい特性を持っています。
低体温症は命に関わることもあるので、予防策を知っておき、万が一に備えておく必要があるでしょう。
そこで今回は、冬キャンプの低体温症対策についてご紹介します。
雪中キャンプのスタッフ経験もある自然体験教育者が解説しますよ。
冬キャンプは低体温症がこわい
低体温症とは、体温が35度以下に下がった状態をいいます。
最悪の場合、命の危険を感じることもあるので、「たかが寒さ」とあなどってはいけません。
以下は、軽い低体温症の症状例です。
【低体温症の初期症状】
- 歯がガタガタ鳴り出す
- 震え出す
- 手足の動きが鈍くなる
さらに体温が下がると、歩くのが困難になったり、会話も上手くできなくなったりします。
深刻化すると意識も低下してくるので、「大丈夫、大丈夫」と寒さを放置しておくのは、アウトドアでは危険なのです。
特に子どもは熱をためこみやすく、冷えやすい特性を持っています。
厚着していても動いていると「暑い」と感じ、上着を脱いでしまうことがあるので目が離せませんね。
気温が低い環境に加え、汗をかいた状態で長い間いると、汗冷えから寒さを感じるようにもなります。
着替えも大事!冬キャンプでの寒さ対策
冬のキャンプでは、暖かい服装をすることが大切です。
フリースやダウンなどの防寒着で、しっかりと対策しましょう。
脱ぎ着のしやすさを考えると、セーターみたいな頭から着る服よりも、フロントにファスナーが付いている服の方が温度調節がしやすいですね。
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走って遊んだり、雪遊びをしたりして汗をかいたら着替えるなど、こまめな対策も欠かせません。
子どもに「寒くない?」と聞くと「大丈夫」と言われることもありますが、その言葉を信用しすぎるのも危険です。
子どもの場合、寒さの深刻度合いをうまく自覚できていない場合もあります。
だからこそ子どもの表情や様子は、常に見ておいた方がいいですね。
子どもが「低体温症かも」と思ったら
「寒さが止まらない」「体が上手く動かせない」ときは、低体温症を疑った方がいいでしょう。
キャンプ中に「低体温症かも」と思ったときの対策は、とにかく体を温めることです。
体温は急に戻ってはこないので、寝袋にくるませたり、カイロや湯たんぽで首や脇の下など温めたりして、少しずつ体温を回復させていきます。
飲み物を飲む元気があれば、お湯などで体内から温めるのも有効です。
ただし、重症時に急に暖かい飲み物を与えると、冷たい血液が体に循環して、かえって症状が悪化する可能性があるので注意してください。
服が濡れている場合には着替えもして、テントや車など風を防げる場所で体を温めるようにしましょう。
夏は水遊びによる低体温症に注意
低体温症のリスクは冬キャンプだけでなく、夏場にも潜んでいます。
汗冷えからくる低体温症もありますが、特に気をつけたいのが水遊びです。
長い間、川や湖などの水中にいたり、水温が低かったりすると、低体温症になる可能性があります。
キャンプ場で水鉄砲で遊ぶくらいであれば問題ないかもしれませんが、濡れた状態で風に吹かれると、体温はさらに奪われます。
ただ、どちらかというと夏場は熱中症の方が心配なので、川や湖などで楽しく遊んで、体温を下げることも大切です。
まとめ
低体温症は大人も子どもも関係なく、誰にでも起こりえる症状です。
特に冬キャンプは外気温が低く、低体温症の可能性が高くなるので、しっかり防寒対策をしてのぞみましょう。
子どもは体温が高いイメージかもしれませんが、同時に寒さを感じやすい特性も持っています。
「暑いから」といって上着を脱いで薄着になるときは、体が冷えないように目を配らせましょう。
キャンプなら着替えもしやすいので、インナーを代えるだけでも汗冷えからくる寒さを防げますよ。