冬に雪が積もる地域に引っ越すときは、アパート選びも大切です。
特に車を持っている場合には、部屋のキレイさや家賃だけでなく、駐車場選びも重要になってきます。除雪作業の大変さは、大家さんや管理業者によっても変わってくるものです。
そこで今回は、新潟に移住した経験から、後悔しない雪国でのアパートの選び方についてご紹介します!
雪国の雪かきはしんどい……
私は雪が好きです。北海道出身で子どもの頃からソリをしたり、雪合戦をしたりと雪に親しみがあるからかもしれません。
それでも雪かきとなるとハードだなと思うことがあります。
私が6年間住んでいた、新潟県妙高市は日本でもトップクラスの積雪量を誇る地域でした。
1日で50cm以上の雪が積もることも多く、こんな豪雪地帯に住むと1日に2〜3回の雪かきが必要です。
1回の除雪時間はだいたい1〜2時間で、除雪範囲は車本体と駐車場、公道への出入口まででしたね。
雪かきにかかる時間は、その人の要領の良さにもよります。
屋根の雪下ろしはありませんでしたが、ほぼ毎日、朝と晩は雪かきをしないといけなかったので結構体力を使いました。
私の場合、車が2駆なので、しっかり除雪しないとすぐにタイヤがスタック(雪にはまること)してしまう点が大変でした。
そんな経験もあってアパートの選び方によっては、除雪にかかる時間や作業も比較的ラクにできると思っています。
雪国でのアパートの選び方
いままで雪国で暮らしたことのない人にとっては、雪のある生活がどんなものかなかなか想像できないと思います。
私は北海道出身なので雪には慣れていますが、それでも新潟県妙高市に移住したときは、その降雪量に圧倒されました。
そんな経験から、ここでは雪国でアパートを選ぶときのポイントについて紹介します。
(1) 融雪設備のある・なし
アパートを選ぶときは、まず融雪設備があるかどうかをチェックしましょう。
融雪設備は、駐車場や共同玄関前に設置されているもので、自動で水を流して雪を溶かしてくれるものです。
雪国のアパートにはたいてい付いている設備ですが、これがあるとないとでは、毎日の雪かきと車の出し入れのしやすさが段違いに変わってきます。
(2) 除雪範囲を確認
自分がしないといけない除雪の範囲を確認することも大切です。
駐車場を契約する場合には、当然、駐車スペースの雪かきが必要となります。
ただ車を持っていない場合でも、通行路に近いなどの理由から除雪が必要になるケースもあるでしょう。
事前に大家さんや管理業者と話をして「自分がどの範囲まで除雪しないといけないのか」を確認しておくと、後々のトラブルも回避できます。
(3) 駐車場は無料?駐車場所もチェック
雪国でアパートを探すなら、“ 駐車場無料 ”の物件を探してみましょう。
地方だと車所有が普通なので、アパートによっては駐車場1台(または2台分)を無料としていることもあります。
私のアパートも駐車場 (2台分)が無料です。
ただ一人暮らしで駐車場2台分を借りると広くて利用しやすいぶん、雪かきが大変になることもあるので注意が必要かもしれません。
私の場合は、雪かきを1.5台分くらいのスペースに留めていました(隣の駐車場の邪魔にならないくらいに、雪の壁ができます)。
また、駐車場所も大切です。
駐車場所によっては、雪が積もると車が出しにくかったり、融雪で溶けた雪・水が溜まったりすることがあります。
私の駐車場がまさにそうでした。
水を吸った雪は重くなるので、スノーダンプを使っても運ぶのが大変になりますね。
このへんは住んでみないと分からないことかもしれませんが、駐車場の地形や排水状況も聞いておくのがおすすめです。
(4) タイヤの保管場所
雪国で生活となると、タイヤは夏タイヤと冬タイヤの両方が必要です。
アパートに保管できる場所があるかは、必ず確認しましょう。
物件情報に載っていなくても、大家さんなどに相談すれば、タダで共同物置を貸してくれることもあります(私は今のところありませんが、盗難には注意が必要です)。
ちなみに不動産屋さんに聞いたところ、ベランダにタイヤを置いて盗まれても補償の対象外とのことです。
盗難が心配な方は、近くのカーショップなどで「タイヤ保管サービス」を利用するようにしましょう。
(5) ボイラー(給湯器)は外か室内か?
ボイラー(給湯器)が外にあるか室内にあるかも重要です。
豪雪地帯の場合、雪が2階の高さまで積もることもあるため、ボイラーが外にあると排出口も雪で埋まってしまうことがあります。
私のアパートはボイラーが外にあるので、冬はお風呂のお湯が出なくなることがありました。
見に行くと、自分では掘り出せないくらい雪が溜まっていたので、シーズンに1回は大家さんに連絡して、除雪を入れてもらっていましたね。
室内にボイラーがあるとスペースは取りますが、お湯が出なくなる心配はないので安心です。
(6) 二重サッシだと冬も暖かく過ごせる
二重サッシとは、室内の窓にもう一枚新しい窓を取り付けた構造をいいます。
雪国の冬は寒いので、これは絶対条件というよりは「あったらいいな」くらいに考えてください。
二重サッシには、断熱効果や結露防止、防音効果があるので、アパートの内見に行ったときはチェックしておくといいですよ。
除雪は大家さん(管理業者)にお願いできる?
大雪が降ったときなどは、自分一人の力で雪かきをすることが困難なこともあります。
そういうとき、大家さんや管理会社に除雪を頼むことはできるのでしょうか?
大家さんや管理業者が除雪に対応してくれることもある
アパートによっては、大家さんや管理業者が除雪に対応してくれることがあります。
これは大家さんや管理会社にはアパートを適切に管理する「修繕・管理義務」があるため、アパート敷地内の除雪も必要な管理と考えられるためです。
現に私も、外のボイラーが雪で埋まったときや、使われていない駐車場に溜まった雪が原因で生活に支障が出たときは、大家さんに連絡して除雪してもらっていました。
ただ、除雪対応については賃貸の契約内容や大家さん等の考え方にもよるので、入居前に確認しておくことをおすすめします。
基本は自分で雪かきが必要
当然ですが、基本的な雪かきは自分でやることになります。
たしかに大家さんや管理業者には「修繕義務」がありますが、部屋の掃除を自分でやるのと同じように、日々の管理は自分でしなくてはなりません。
アパートによっては、スコップやスノーダンプなどの除雪道具が用意されています。
豪雪地帯の場合、プラスチック製の除雪道具だと雪の重みで折れることがあるので、買うならアルミ製をおすすめします。
共同スペースはお互いさまの精神で
共同スペースの除雪や掃除については「お互い様の気持ちが大事かな」と思います。
たとえば、共同玄関や車の出入りする場所などですね。
雪かきは大変な作業なので、朝晩などに自分だけがやっていると、「いつも自分ばかり」と不満に感じることもあるものです。
とはいえ、仕事に行く以上は、やらないとしょうがないですよね?
それならば、休日など自分に除雪が必要ないときは「雪かきをしない」という選択肢もありです。
借りている駐車場など、雪かきは最小限のスペースにして、いつもやっているなら共同スペースは他の人に任せてもいいでしょう。
「今日は、自分に必要な場所だけ雪かきする」。
そんな日がないと疲れてしまいますからね。
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それでも誰もやらないというのであれば、一度、大家さんや管理業者に相談してみることです。
反対に、いつも除雪してもらって助かっているという人は、「せめて階段くらいいは」など、もっと隣近所に配慮すべきでしょう。
朝など自分が雪かきしなくてもスムーズに車が出せたり、通行できたりするのは誰かが頑張って雪かきしてくれているからです。
そこに感謝をして、「今日は私が除雪しよう」といった気持ちがないと「〇〇号室の人はいつも雪かきしない」と、隣近所の人に不満を持たれ、トラブルに発展してしまうケースがあります。
さまざまな人が暮らすアパートでは、一人で除雪を頑張りすぎないことと、お互いさまの精神が大切です。