都会で働いている人の中には、「田舎でのんびり暮らしたいな」と思っている人もいますよね?
でも、田舎は都会と全く環境が違うので、仕事のことやお金のこと、人間関係のことなど不安もさまざま。
もともと「実家が田舎」という方でも、Iターン・Jターンで地方移住するとなると、また気持ちは違うものです。
そこで今回は、地方移住歴7年の私が、田舎暮らしの現実についてご紹介します。
私は北海道の出身で、埼玉で一度就職したあと、アウトドア専門学校への入学をきっかけに新潟で暮らし始めました。
移住当初は学生寮に住んでいたので、いろいろな意味で少々特殊なケースかもしれませんが、「田舎暮らしって、どんな感じ?」と思っている方は、ぜひ気楽な気持ちで読んでみてくださいね。
同じ “田舎” でも、住む地域によって雰囲気が違う
田舎暮らしについて調べたとき、「最高」「しんどい」など賛否両論あります。
意見が分かれるのは、その人が「田舎暮らしに向いているかどうか」という部分もありますが、同じ田舎でも住む地域によって雰囲気に違いがあるからです。
私が以前住んでいた新潟県妙高市は、比較的、移住者を受け入れてくれる空気がありました。
田舎特有の「内輪感・身内感」みたいなものはありましたが、特に地域とのトラブルもありませんでした。
おそらくその理由の一つは、私がアパート住まいをしていたからだと思います。
古民家などの一軒家であれば、地域活動や地域の集まりにも「積極的に顔を出してほしい」と言われたのかもしれませんが、そういうことは一切ありませんでした。
たまに地域の人と顔を合わせる機会があったときに「消防団に興味ない?」などと言われたくらいです。
他のアパート住民も20代の人が多かったので、もしかしたら「地域の仲間」とは思われていなかったのかもしれません。
ですが、私としては時間も拘束されることなく、自由に行動できるわけで、その方がやりやすかったです。
場所によっては、閉鎖的な地域もある
私の住んでいた地域は、基本的に新しい人を受け入れてくれる地域でしたが、地区によっては閉鎖的なところもあるようでした。
「あの人はここの出身じゃないから」など、地元民や昔ながらのやり方にこだわりがある感じでしょうか。
知り合いの地域おこし協力隊になった人の様子を見ていても、地元の人と打ち解けて、信頼関係を築くのが大変そうに見えました(本人はそう思っていなかったかもしれませんが)。
一口に “田舎” といっても、住む地域や働き方によって住みやすさが違います。
【体験済み】田舎暮らしの現実はこんな感じ
実際に田舎に住んでみると、最初に思い描いていた暮らしとはちょっと違うことがあります。
ここでは、私が感じた田舎暮らしのリアルをご紹介します。
虫が出る
物件にもよりますが、田舎は室内にも虫が出ます。
私はもともと実家が田舎であり、アウトドアの仕事もしている関係で、虫には慣れているのですが、家の中に大きな虫が出ると結構こわいんですよね……。
控えめにいって、田舎で暮らすならカメムシくらいは大丈夫でないと厳しいかもしれません。
意外とお金がかかる
田舎の生活は、意外とお金がかかります。
街中に住む場合でも、スーパーまでの距離が遠いこともざらなので、車は必須です。
雪国であれば、冬場は暖房費がかさみますね。
夏は外から涼しい風も入ってきますが、夜はエアコンなしだと寝苦しいこともあります。
アパートの家賃は、都会と比べて安いですね。
ただ、最低賃金が都会より低いので、出費はそれなりにあります。
やりたい仕事がない
よく言われるように、田舎は都会と比べて、選べる仕事の数が少ないのは事実です。
でも、仕事がないわけではありません。
「とりあえずお金を稼げればいい」と思える方であれば、保険営業や工場、店舗スタッフなど仕事はあります(移住先にもよりますが)。
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私は「自然に関わる仕事」がしたくて田舎に行ったので、「やりたい仕事がない」と思ったことはないのですが、独立起業後に「やりたいバイトがない」と思ったことはありますね。
連休や観光シーズンは人が集まる
観光名所のある地域であれば、お盆やゴールデンウィークなどの連休になると、県外から人がやってきます。
「だから何だ」と思うかもしれませんが、もしも田舎でビジネスを考えるのであれば、人の移動は重要です。
私が以前住んでいた地域も、夏や冬になるとアウトドア目的で全国から観光客が集まっていました。
地元の人から野菜をもらえる
地元の人と良い関係が築ければ、野菜などをもらえることがあります。
もちろん、もらってばかりではいけないのでお返しも必要ですが、優しい人や協力してくれる人たちもたくさんいるわけです。
「狭い地域だからこそ、助け合っていこう」という、田舎のプラス面です。
アパート住まいは比較的自由
アパート暮らしの場合、比較的、地域とのつながりは薄くなると感じています。
これまで、地域活動や地域の集まりへの参加を強制されたことはありません。
感覚として、都会よりもご近所と触れ合いやすく、適度に距離があるといった感じでしょうか(朝の挨拶をする程度)。
つまり、普通です。
ただ、一軒家や古民家住まいであれば、「地域の一員」として見られるかもしれません。
アパートの場合「一時的な移住者」という印象ですが、一軒家だと「永住者」的な雰囲気があるので、より地域への深い関わりが求められるような気がします。
田舎暮らしに向いているのは、こんな人
私は東京と埼玉で計8年間暮らしたことがあり、都会と田舎の両方の生活を経験してきました。
以下は、私が思う、田舎暮らしに向いている人の特徴です。
いくつか当てはまる項目がある人は、田舎の生活に向いているかもしれないですね。
- 自然が好き
- もともと田舎育ち
- 何もない環境でも生きていける
- 多少の不便さは平気
- 人と関わるのが好き
- 自分で仕事をつくれる(つくっていく気がある)
田舎に憧れる人であれば、「自然が好き」という気持ちは少なからずあると思います。
あと、何もない環境でも楽しみを見つけられるかや、多少、交通の便が悪くても「平気」と思えるかどうかも大事ですね。
田舎の場合、選べる仕事の数も少ないので、副業にせよ本業にせよ、自分で仕事をつくっていこうとする気持ちも必要かもしれません。
移住して失敗しないための3つの対策
最後に、移住してから後悔しないための対策についてご紹介します。
田舎暮らしを考えている方は、以下の3つをやっておくといいでしょう。
(1) 現地で下見をする(情報収集)
気になる地域が見つかったときは、必ず現地に行っておくべきです。
ネットの情報からは、リアルな街の雰囲気や空気感は伝わってきません。
私も移住を決意できたのは、仕事でその地域へ何度か足を運んでいたからです。
その後オープンキャンパスに行くなど、自分で下調べもしました。
移住は人生でも大きな決断なので、多少お金がかかってでも、やれることはやっておくといいでしょう。
(2) 住む場所を決める
働き方にもよりますが、住む場所も探さないといけません。
私のように学校に入学するのであれば寮がありますし、地域おこし協力隊なら自治体が住む場所を提供してくれるでしょう。
古民家や安い物件を探す場合には、地元の不動産屋に相談した方が詳しい情報を教えてくれます。
経験からいって、地元の不動産会社は親身に話を聞いてくれることが多いので、良き相談相手になってくれるはずです。
(3) 自分で稼ぐ手段を見つける
自分で稼ぐ手段を持っていると、田舎暮らしが実現しやすくなります。
今はクラウドソーシングサイトを利用すれば、主婦や学生の方でもネットで簡単に仕事が取れる時代です。
「田舎暮らしに憧れるけど、やりたい仕事がない」
「副業を持ちたい」
「好きな場所で自由に働きたい」
と思う方は、コツコツとスキルを身に付けていくことをおすすめします。
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まとめ
都会の生活に向き・不向きがあるように、田舎暮らしにも相性があります。
同じ “田舎” でも住む地域によって、人の受け入れ方や空気感が異なるので、実際に現地に足を運んで情報収集してみるといいでしょう。
移住は人生でも大きな決断なので、あまりあせらないことです。
仕事のことや生活のことを考えながら、自分に合った地域を見つけてみてください。