学校のテストには必ず答えがあります。
でも、社会に出ると答えのない問題に数多くぶつかります。
「どうしたら成績を上げられるか?」
「好きな人と親しくなりたいけど、どうしたら?」
「職場に苦手な上司がいる……」
そんなときに必要なのが、問題解決力です。
問題解決力とは、悩みとなる根本の問題を発見し、自ら解決策を導き出す力のことです。
問題解決力が高い人は、「あの人に相談すれば何とかしてくれる」と周りからも思ってもらいやすいので、仕事でも人間関係でも重宝されやすいでしょう。
そして問題解決力は学校の勉強だけでなく、“遊び”を通じても伸ばすことができます。
アウトドアには多くの教育的メリットがありますが、問題解決力を高められることもその一つです。
子どもの問題解決力は、“遊び”で伸ばすくらいがちょうど良い
問題解決力とは、根本の悩みや問題を発見し、分析することで、自ら解決策を導き出す力です。
問題解決力はプログラミングや数学などの学習でも伸ばせますが、私としては “遊び” で伸ばすのがちょうど良いのかなと思います。
遊びであればストレスも少ないですし、自分に合った活動をしながら成長していけるからです。
大人の場合、仕事で問題解決力が必要となる場面は多いと思いますが、そのときはお金ももらっているので、やりたいことでなくても割り切って「何とかやろう」と思うかもしれません。
ですが、子どもの場合は状況が違います。
問題解決力が収入に直結する大人と違って、子どもの場合は、そこまでやりたくないことを頑張る理由がありません。
たとえば、毎日、塾に通っていたとしても、それが本人の意思ではなく、親の意思で通わせているのであれば、子どもは「何とか成績を上げよう」「苦手な教科を克服しよう」とはあまり考えないでしょう。
自分ごとに置き換えてみるとわかりやすいですが、何か特定の物事に対して「問題を解決したい」と思うのは、自分がその物事に関心があるか、必要性を感じているときだけです。
「憧れのあの人と話してみたい」
「好きなことを仕事にしたい」
「サッカーがもっと上手くなりたい」
ジャンルは何であれ、自分が興味を持っている物事ほど問題解決への意欲は高まります。
人は「やらねばならない」という義務感よりも、「何とかしたい」「知りたい」といった感情、欲求の方が圧倒的に強いのです。
そのため、子どもの問題解決力を伸ばしたいのであれば、子どもが興味を持ちやすい “遊び” で伸ばした方がいいのではと思います。
問題解決は3ステップで考える
問題の大小に関係なく、問題解決は基本的に以下の3ステップで行われます。
(1) 悩みとなる根本の問題を見つける
(2) 問題を分析する・調べる・アイデアを考える
(3) 解決策を実行する
おそらく何か困った事態が起こったり、解決したい問題にぶつかったりしたときは、この思考プロセスを自然とやっているのではないでしょうか?
ここでは例として、焚き火で火がつかない場合を考えてみましょう。
この場合、以下のようなステップで問題を解決しようとするはずです。
(1) 問題:火がつかないこと
(2) 分析・考える:「枯葉が足りない?」「薪が湿っている?」「薪の組み方が悪い?」など
(3) 実行:「とりあえず枯葉を足してみよう」
当然、(3)の解決策を試してみても、問題が解決しない場合もあります。
でもそのときは、また(2)に戻ったり、(3)の別のアイデアを試してみたりすればいいだけです。
アウトドアの良さは、考えさせられるところ
子どもの問題解決力を育みたいときに、アウトドアは役立ちます。
というのも、キャンプや登山、自然遊びでは、予想外の状況が起こりやすいからです。
先ほど例で挙げた「焚き火の火がつかない」といった状況もそうですが、
「急に雨が降ってきた」
「テントの部品が壊れた」
「ロープを結ぶ場所がない」
などの状況に陥ることも自然の中ではよくあります。
そんなときに、どうするか?
そこで必要となるのが、問題解決力なのです。
基本的にキャンプなどのアクティビティは、遊びです。
でも、学校のテストや塾の勉強とは違って、プレッシャーのかからない “遊び” だからこそ、「どうしたらこの状況を切り抜けられるか」について、真剣に考えようとするのだと思います。
アウトドアの場合、状況によっては解決できないと命に関わることもあるので、机上の勉強より真剣度も高くなりやすいですね。
そしてアウトドアでの問題解決は、仕事ともよく似ています。
仕事をしていると「納期までに商品が届かない」「取引先とトラブった」「仕事量が多すぎる……」などの問題に数多く出くわします。
そこに解決用のマニュアルが常にあればいいのですが、おそらく「そんなものない」という場面の方が多いでしょう。
それと同じでアウトドアも、今、起きている問題に真正面から向き合い、自ら考えて解決策を探し出します。
アウトドアで子どもの問題解決力がどの程度育つかは、親御さんや指導者の教育の仕方にもよるでしょう。
ただ、自然体験には子どもが自ら考え、答えを探すチャンスが多く存在することは変わりません。
まとめ
子どもの問題解決力を伸ばしたいのであれば、“遊び”を通じて伸ばすのがいいと思います。
本人が興味を持っている物事の方が、積極的に考え、アイデアを試してみようという気持ちになりやすいからです。
もし興味があるのであれば、キャンプや登山、自然体験などもいいでしょう。
アウトドアは予想外のことが起きやすく、大小合わせて知識では解決できない場面が多く訪れるので、自分で考える力が育ちやすくなります。
もちろん学校の勉強や水泳、サッカーといった習い事でも問題解決力は高められるでしょう。
ですから、子どもが興味のある分野で能力を伸ばしていくのが、一番いいのかなと思いますね。
問題解決力が高い人ほど仕事もできるし、周りからも頼りにされるような気がします。