子どもの自然体験は減少している?現状と原因をわかりやすく解説

子どもの自然体験は減少している?現状と原因をわかりやすく解説

学校の先生や野外活動関係者であれば、「子どもの自然体験が減少している」というのは、一度は聞きますよね。

親御さんの中にも、どこからともなく、そんな情報を聞いた方もいるでしょう。

正直、今の時代、子どもの自然体験が減少するのは当然だと思います。

自然の中で遊ばなくても、他におもしろい遊びはたくさんあるし、パソコン一台で働くこともできる世の中ですからね。

ただ、だからといって放置していい問題でもないような気がしています。

そこで今回は、子どもの自然体験活動の現状や原因などをご紹介します。

子どもの自然体験は減少している?現状について

2006年〜2012年までは減少傾向

子どもの学校以外での自然体験活動は、『平成27年版 子供・若者白書』によると低下傾向と発表されています。

下記は少し古いデータですが、2006年から2012年までの小学生の自然体験活動への参加率は確かに減少傾向です。

出典:平成27年版 子供・若者白書の第 1-3-31(内閣府)

平成24年度(2012年)の『青少年の体験活動等に関する実態調査』報告書には、「どんな体験活動が減少・増加したのか」について、もう少し詳しく載っています。

たとえば、以下のような項目です。

  • キャンプをした経験
  • 海や川で海や川で貝を採ったり、魚を釣ったりした経験
  • 太陽が昇るところや沈むところを見た経験
  • 大きな木に登った経験

出典:国立青少年教育振興機構|「青少年の体験活動等に関する実態調査」 (平成24年度調査)報告書

ただし、ここで言う自然体験の減少とは、学校以外の登山教室や親子キャンプなどプライベートな部分です。

むしろ小学校から高校までの体験活動の時間数(自然体験以外も含むとされる)は、増加傾向にあります。

体験活動の重要性は国も認めているので、授業内容にも反映されている学校では増加中といえますね。

2016年の調査では、自然体験の増加も発表

ただ、平成28年度(2016年)に調査した『青少年の体験活動等に関する意識調査』では、平成17年(2005年)から平成28年(2016年)の10年間で、一部の自然体験活動が増加傾向にあると発表されています。

以下のような、自然体験です。

  • 野鳥を見たり、鳴く声を聞いた経験
  • 夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見た経験
  • 太陽が昇るところや沈むところを見た経験

出典:国立青少年教育振興機構|青少年の体験活動等に関する意識調査(平成28年度調査)

正直、この項目に「いっぱい」「ゆっくり」など形容詞が入っているので、子どもの解釈によって実態は異なると思います。

回答対象も小4・小6・中2と偏っているため、これだけの資料で「自然体験が増加した」とはいえません。

活動内容としても「大きな木に登る」「キャンプをする」などと比較すると、日常でもできる簡単なものですしね。

自然体験活動が減少している原因

テレビ

平成18年(2006年)から平成24年(2012年)のプライベートな自然体験活動については、減少傾向であったといえます。

以下では『平成27年版 子供・若者白書』を参考に、自然体験が減少する原因をまとめました。

  • 都市化
  • 少子化
  • 電子メディアの普及
  • 地域とのつながりの希薄化
  • 大人が子どもに対して過保護になっている

個人的には、スマホやパソコンなどの電子メディアの普及が大きいような気がします。

都市化によって自然そのものが減少している可能性もありますが、都市にも公園や緑地はあります。

もちろん地方と比べて、大きな木に登れる場所などは限られますが、「減少か増加か」の判断はデータの取り方やまとめ方にもよりますね。

また、親御さん自身の自然体験が減少していることも理由の一つだと思います。

親御さん自身が自然の中で遊んだ経験が少ない場合、「どうやって子どもを自然の中に連れ出したらいいかわからない」ということがあるでしょう。

そうなると子どもは、遊びの選択肢が他に移るので、家でゲームをするなど自然体験以外の活動が多くなる気がします。

自然体験が豊富な子どもほど、人間性が成長しやすい

うさぎに餌をやる子ども

『平成27年版 子供・若者白書』によれば、文部科学省は「体験活動が豊富なほど、意欲や関心、規範意識などが高い」と発表しています。

体験には家でお手伝いをしたり、ペットの世話をしたりといった生活体験も含まれるようですが、まぁそうですよね。

一般的に体験することが多いほど、見るものや聞くものが増えるので、自分の興味関心は広がりやすくなります。

団体の教育キャンプであれ、日々の習い事であれ、何かのグループに所属すれば、挨拶などのマナーも身に付きやすいでしょう。

また、自然の中で遊んだり、植物や生き物などの自然観察をした経験があったりする子は、理科の平均正答率が高くなると発表しています。

おそらくこれは、図鑑などで知識が身に付いたというよりも、実際に自分で見た・触ったなどの経験が、授業で習った内容を覚えやすくさせたのではないでしょうか?

以前テレビで、高学歴の芸能人が「動きながら勉強していた」と言っているを見ましたが、それかなと思います。

頭だけでなく、手や足も動かした方が、脳への刺激が高まりますからね。

自然体験をしたからといって、必ずしも学力が上がるとは思いませんが、机上の知識が具体的なイメージにつながるのは確かです。

今の時代、子どもの自然体験が減少するのは当たり前。だからどうするか?

雪だるま3つ

今の時代、子どもの自然体験が減るのは当たり前です。

普通は大人になるにつれて、木に登ったり、虫採りをしたりする機会は少なくなります。

加えて今は、スマホゲームやYouTubeなど自然体験よりも刺激的でおもしろい活動がたくさんあります(しかも無料)。

でも、そんな時代だからといって、自然体験がなくてもいいとは私は思いません。

無理にやらせる必要もありませんが、子どもがバーチャルな体験や机上の知識しか持たない場合、底の浅い人間になってしまう気がします。

そのため、子どもの頃から自然体験のような直接体験活動をしておくべきではないでしょうか。

別に「キャンプや登山をしろ」とは思いませんが、たまに緑の多い場所に行ったり、旅行で湧き水を汲んだりとか、そんな感じです。

今は田舎でもパソコン一台で仕事できるし、暮らせますが、自然体験は人間性を成長させるために、ないよりはあった方がいいかなと思います。

まとめ

子どもの自然体験は減少傾向といわれていますが、2005年から2016年までの10年間は、増加傾向にある活動もありました。

体験減少の原因としては、都市化やメディアの普及、大人が過度に心配してしまうことなどがあります。

今の時代は働き方も豊富で、ネットで何でも完結してしまうので、田んぼや畑などの自然に関わらなくても不自由なく暮らせます。

やろうと思えば自然の中に全く出かけなくても、生きていけるのかもしれません。

ただ、動物にエサをやったり、キャンプをしたりといった直接体験活動は、子どもの好奇心や意欲を育てます。

活動によっては、他の子や大人との接し方を学ぶ機会にもなるでしょう。

たとえ自然体験でなくても、体験活動をどう生活に取り入れるか、考えていきたいところですね。