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レインウェアの層(レイヤー)の違いと特徴

レインウェアの層の違いとは?特徴やおすすめの人を徹底解説

レインウェアの層(レイヤー)の違いと特徴

レインウェアを探していて、「このウェアは〇〇層(レイヤー)です」との表記を見たことありませんか?

でも、こんなこと言われてもアウトドア初心者にとっては、さっぱり分からないもの…

「3層と2層で、一体何が違うの?」「それぞれの特徴は?」と疑問点は増えるばかりです。

私も初めてレインウェア買った時は、登山慣れした友人からたくさんのアドバイスをもらいました。

そこで今回は、レインウェアの層の違いや特徴、おすすめの人についてご紹介します!

初心者の方にもわかりやすく説明するので、気軽に読んでみてくださいね。

レインウェアの層の違いと特徴、おすすめの人

モンベル レインウェア

レインウェアの層(レイヤー)とは簡単に言えば、 「そのレインウェアに、何枚生地を重ねているのか」ということです。

3枚なら3層構造、2枚なら2層構造といった具合です。

層については昔は3層、2.5層、2層の3パターンに分かれていました。

でも今は軽量化の技術が進み、3層とゴアテックスが開発したパックライト(2.5層、2層)の2種類に分類されることが多くなっています。

各層の違いと特徴について、以下で詳しくご紹介します。

オールマイティーに活躍!【3層】

レインテックスプラズマ(THE NORTH FACE)
created by Rinker

3層はレインウェアの中で、最も一般的な生地構造です。

生地を3枚重ねたレインウェアは、「表地・防水透湿素材・裏地」の3つで構成されています。

  • 表地
  • 防水透湿素材(例:ゴアテックス(R)メンブレン)
  • 裏地
3層(3レイヤー)のイメージ
作成:Reach Out Leaders

3層のメリットは、耐久性の高さ

3層のメリットは、2点あります。

一つ目は、耐久性が高いこと

裏地があるためリュックによる擦れ・摩擦に強くなっている点は、重い荷物を背負う登山では大切なポイントです。

二つ目のメリットは、汗によるベタつきが少ないこと。

運動中もサラッとした着心地が続くので、登山やキャンプなどオールラウンドに使えます。

デメリットは、生地を多く使っているためやや重いことですが、長距離移動やスピードハイクなどをしない人であれば、あまり気にならないと思いますよ。

【3層がおすすめの人】

・初心者からベテランまでの一般的な登山者
・長持ちするウェアがほしい人

軽さが魅力!【パックライト(2.5層と2層)】

2.5層や2層のレインウェアは、今では『パックライト(R)』と呼ばれることが多くなっています。

パックライト(R)とは、ゴア社が開発した、裏地の代わりに特殊コーティングを施した生地構造のことです。

ノースフェイスやモンベルなど、多数のメーカーがウェアに採用していますね。

必要な機能性は維持しつつ、3層と比べて生地を少なくした分だけ、軽いウェアに仕上がっている点が特徴です。

① 2.5層

ゴアテックス パックライト レインスーツ(プロモンテ)
created by Rinker

2.5層とは、3層の「表地・ 防水透湿素材・裏地」の “裏地” をなくした生地構造のことです。

2.5層のレインウェアは、以下のような構造になっています。

  • 表地
  • 防水透湿素材(例:ゴアテックス(R)メンブレン)
  • ※ 裏地なし(保護フィルム)
2.5層(2.5レイヤー)のイメージ
作成:Reach Out Leaders

2.5層では裏地に代わり、防水透湿素材に保護フィルムが貼られています。

詳しくは後述しますが、2層は裏地がないため、汗離れが悪い点がデメリットです。

その点、2.5層は保護フィルムが貼ってあるため汗離れが良く、快適な着心地が持続します。

つまり「生地が3枚でも2枚でもない」、3層と2層の中間の生地構造となっているので2.5層と呼ばれているわけです。

3層が持つ耐久性と、2層が持つコンパクト性を融合させた生地構造といえばイメージしやすいでしょうか?

2.5層のメリットは、持ち運びのしやすさ

2.5層のメリットはウェアが軽く、携帯性に優れていることです。

選ぶウェアにもよりますが、透湿性(汗や湿気を逃す力)も高いと評判で、登り下りで激しく体を動かしても快適なコンディションを保てます。

デメリットは3層と比べて、耐久性にやや不安があることでしょうか。

とはいえ、春〜秋の無雪期登山であれば十分に活躍するはずです。

② 2層

2L レインスーツ(ONYONE)
created by Rinker

2層も2.5層と同じく、裏地のないレインウェアです。

「表地・透湿防水フィルム」だけの生地構造となっています。

  • 表地
  • 防水透湿素材(例:ゴアテックス(R)メンブレン)
  • ※ 裏地なし(メッシュ加工)
2層(2レイヤー)のイメージ
作成:Reach Out Leaders

「裏地なし」の状態は、汗をかいたときに肌が防水透湿素材にベタッとくっついてしまうため、従来の2層は、不快感を解消する目的で内側にメッシュを入れていました。

しかし、最近はテクノロジーが進歩したことで、メッシュを使った2層構造はほとんど見かけません。

2層構造がなくなった背景には、「メッシュは余分な生地」という軽量性を求める登山者の意見が多かったことが関係しているのでしょう。

2層のメリットは、価格が安いこと

2層のメリットは、価格が安いことです。

しかしこれには「メッシュを使用した場合」と条件が付きます。

現在は2層のウェアも進化しており、メーカーによっては2層構造と言っているものの、厳密には「2.5層」であるウェアも出ています。

これらをまとめて「2層ウェア」と呼ぶのであれば、最近の2層は高機能であるため、決して価格が安いとはいえないでしょう。

2層(メッシュ付き)のデメリットは、耐久性が弱く、汗によるベタつきを感じやすいことです。

【 2層・2.5層(パックライト)がおすすめの人】

・ファストハイクなど速さを重視する人
・超軽量を求める人
・荷物を軽くしたい人

ますます軽量化が進むレインウェア

2019年にゴアテックスからパックライトを進化させた、『パックライト(R)プラス』が登場しました。

パックライト(R)プラスは、裏地なしの2層構造です。

従来のパックライトよりさらに軽量化され、長距離移動やスピード重視の登山に一段と対応しやすくなりました。

パックライト(R)プラスでは、肌が当たる内側に凹凸状の耐摩耗加工が施されているので、汗によるベタつきも抑えられます

全天候型であるパックライト(R)プラスは、耐久性を犠牲にすることなく、登山者の快適性を高めたテクノロジーといえますね。

パックライト(R)プラスのウェアは、非常に軽く、コンパクトであるため、リュックに入れて携帯しやすい点がメリットです。

レインウェアの層は、使用目的に合わせて選ぼう!

レインダンサーの内側

レインウェアの層(レイヤー)とは、そのウェアに「何枚の生地を重ねているか」を示した数字です。

3層は耐久性に優れていて、登山からキャンプまで多種多様なアウトドアシーンで活躍します。

2層(2.5層)は3層よりも軽量化されているため、コンパクトに持ち運べる点がメリットです。

3層と2層のレインウェアのどちらがいいのかについては、「どんな目的で使うのか」によります。

それに、触ったときの好みもあるでしょう。

3層の方が厚みがあるため「安心できる」という人もいれば、「ちょっと重いな」と感じる人もいるなど感じ方は様々です。

購入するときは店舗で実物を見たり、触ったりしながら選ぶといいですよ。

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【レインウェア層のまとめ】

メリット使用環境
3層・耐久性が高く、長持ちしやすい
・初心者からベテランまで使える
オールシーズン
2.5層
2層
・超軽量
・コンパクトに持ち運べる
・汗や湿気が抜けやすい
(パックライトプラス(R))
春〜秋