子どもの野外活動で学んだのは “見守ること” の難しさ

子どもの野外活動で学んだのは “見守ること” の難しさ

子どものいる親御さんや野外活動に関わっている人ならわかると思いますが、子どもを見守ることって難しいですよね?

「できるだけ見守った方がいい」とはわかっていても、子どもは予想外の行動を取ることあるので、見ていてハラハラすることも多いのではないでしょうか?

私も野外活動指導者として活動する中で、そういう場面に数多く出くわしてきました。

だから子どもと活動するときは、「黙って見守るべきか、手を出すべきか」でいつも悩みます。

今回はそんな、子どもの野外活動で学んだ “見守ること”の難しさについてのお話です。

子どもの野外活動で学んだのは、見守ることの難しさ

木登りする少年

私はこれまで、子どもの野外活動や課題解決ゲームの指導をしてきました。

その中で感じたのは、見守ることの難しさでした。

キャンプなどで親御さんから安全管理を任された以上、預かった子どもにケガさせるわけにはいかないし、事故に遭わせるわけにもいきません。

だから、手や口を出したくなることも多くあります。

子どもが川に近づいたり、友達にきつく当たったりしているときに「ダメだよ!」と言えば、だいたい無事に過ごせますからね。

「危ない」と感じたときにすぐ手を貸せば、ケガする心配もありません。

でも、それじゃいけないんですよね。

ときには見守ることもできないと、せっかくの子どもを成長させる機会を奪ってしまうことになります。

子どもの野外活動に関わる中で、つくづく「見守ることは難しいな」と実感しています。

なぜ、大人はすぐに手を貸したくなるのか?

親子で遊ぶ

そもそも、なぜ私たち大人は子どもにすぐに手を貸したり、口を出したくなったりするのでしょうか?

おそらくすぐ手を出したくなる心理には、見守る側の以下の点が関係していると思います。

  • 強い不安
  • 経験不足
  • 安全管理に自信がない

手を出したくなる理由 1:強い不安

子どもの行動にすぐ手を出したくなる理由の一つ目は、大人が感じている強い不安です。

実際には事故やケガにつながるリスクが低くても、少しでも「危ない」と感じたら止めたくなるといった感じですね。

子どもがハサミを使っているときに、そのまま使わせる大人もいれば、「ダメ」と言って止める大人がいるのと同じです。

私も子どもの野外活動の場面で、実際にケガする可能性は低いのに、自分が不安であるため、子どもに「ダメ」と言ってしまった経験があります。

どんなに周りが「大丈夫」と言っても、自分の中に強い不安があると、子どもに「止めて」と言いたくなってしまいますよね。

手を出したくなる理由 2:経験不足

手を出したくなる理由の二つ目は、経験不足です。

誰だって、未知の問題に直面すると怖くなります。

親自身(保護者)が見たことない、もしくはこれまでしなかった行動を子どもが取ったときには「何が起こるかわからない」ので、手や口を出したくなるといった感じですね。

逆にその状況を何度も経験していれば、先々の予測ができるので、子どもの行動を見守れる気がします。

「ケガの可能性はあるけれど、大事故にはいたらない」

経験があるので、そんな安心感がありますね。

私も野外で子どもの課題解決ゲームを指導していて、「危ないといえば危ないけれど、遊び方や体の使い方も問題ないし続行させよう」と判断したことがありました。

経験があれば予測がつくので「これは大丈夫」と思えますが、初めて見る状況だとやらせるのが怖くなります。

手を出したくなる理由 3:安全管理に自信がない

手を出したくなる理由の三つ目は、安全管理に自信がないことです。

たとえ小さなケガでも子どもを守れる自信がない場合には、「危ない」と止めたくなりますね。

私も振り返ってみると、安全管理技術も経験もない頃には不安が強かったので、子どもに「危ない」「ダメ」と言う機会が多かった気がします。

私はアウトドア専門学校に入学したばかりの頃、生徒として授業で冬山に登りました(私を含めて10名くらいの人数)。

そしてそこで、雪の斜面を歩かないといけない状況に直面します。

もちろん先生も一緒だったのですが、私は冬山が初めてだったので、雪の急斜面を見て「これ落ちたらやばい……」と思いました。

後日、他の生徒が「何で歩かせたか?」を聞いたのですが、先生は「あそこは仮に滑って落ちてもすぐに止まるし、助けにも行ける」と言っていましたね(ムチャクチャにも感じますが)。

周りから見たら「危ない」と感じることでも、見守る側に十分な安全管理能力と経験があれば、「これなら大丈夫」と思って見守れます。

見守れるのは、自分が「大丈夫」と思えるときだけ

ソリ遊びをする子ども

子どもを黙って見守ることができるのは、自分が「大丈夫」と思えるときだけのような気がします。

それは、自身の経験や予測から「これは大きな事故につながらない」と判断できるからです。

アウトドアの安全管理において、リスクは決してゼロにできません。

子どもに遊び方を説明したり、指導経験を積んだりすればリスクを最小限にはできますが、予想外の事態は起こるものなので、どれだけ頑張っても絶対にケガしない状況はつくれないということです。

だから、最後は自分の中の不安との戦いですね。

子どもの野外活動では、いつも事前準備や安全管理を徹底したうえで、ハラハラした気持ちも持ちつつ、「これなら大丈夫」と見守っています。

見守ることで、子どもは成長する

磯で遊ぶ子ども

「危ない」の一言で片付けて、子どもの遊びや活動を禁止するのは簡単です。

でも、その制限によって奪われてしまう子どもの成長もあります。

何でも子どもの自由にさせればいいというわけではありませんが、だからといって「ダメ」を繰り返すだけでもいけません。

創造性や好奇心など、子どもを黙って見守ることで伸びる能力もあるからです。

見守ることは難しく、大人をハラハラさせますが、活動によって「手を貸すべきか、見守るべきか」を今一度考えてみてもいいでしょう。

手を擦りむいたり、転んだりなど小さなケガはあるかもしれませんが、案外、大事故にはいたらないケースかもしれません。

子どもを見守ることは勇気のいる行為ですが、それはきっと子どもの成長に役立ちます。

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まとめ

川ではしゃぐ子どもたち

子どもは予想外の行動を取ることも多いので、大人としてはちょっと怖いところですよね。

発想が豊かだからこそ、「そんなことする!?」と思う行動もします。

見守ることは確かに難しいのですが、だからといって「ダメ」「危ない」を繰り返してばかりいてもいけません。

大事故につながるような行為なら止めさせる必要もありますが、よく考えてみると、ただ大人側の不安が強いだけということもあります。

「ダメ」は子どもを守る手段ですが、「見守る」は子どもを成長させる手段です。

子どもとの活動では、できるだけ本人たちの意思や気持ちを尊重させたいなと思っています。