どの山に登るかを決めるとき、標高は一つのポイントになります。
その中でも標高の低い山は、気軽に登りやすいイメージがあって、初心者でもチャレンジしやすいですよね?
でも、低山だからといって「いけるっしょ!」的なノリで甘く見ていると、危険な目に遭ってしまうかもしれません。
そこで今回は、標高が低い山でありがちな人的ミスについてご紹介します。
標高が低い山は「簡単」だと思ってない?
標高500mの山と聞くと、「なんだか簡単そう」「私でも行けそう」などと思うかもしれません。
実際、標高の低い山は、高山と比べると歩行距離も短かいことが多く、気軽に登れるイメージがあります。
山によっては、往復2時間程度で行けるところもありますね。
では、すべての低山がラクに登れるかといわれれば、そうでもありません。
同じ山でもコースによって難易度が変化することもあるので、「低山が簡単」とは言い切れないのです。
山の難易度は、標高だけで決まらない
標高の高さだけで山の難易度を決めるのであれば、日本では富士山が一番になります。
でも、現実はちょっと違いますよね。
富士山よりも標高が低いのに、「富士山よりも難しい」と感じる山もあります。
なぜなら山の難易度には、地形などの地理的条件、必要な技術度も絡んでくるからです。
地形とはコース上のアップダウンから、ハシゴや鎖場、転落・滑落の危険箇所などですね。
そして当然、低山にもこの地形の影響は当てはまります。
たとえば、同じ標高500mの山(AとB)があったとします。
A山は、ずっと緩やかな登りで、山頂を目指していくコースです。
一方のB山は、急な登りと下りを何度も繰り返し、途中で川も渡るコースです。
どっちが簡単そうですか?
地形に違いはありますが、どちらも標高500mの低山です。
低山は高山よりも気軽に登れるイメージですが、決してラクに突破できるコースばかりではないことを覚えておきましょう。
なめるな危険!低山登山でありがちな5つの人的ミス
標高が低い山は、初心者でも気軽にチャレンジしやすいのが魅力です。
でも、時々、ちょっと山をなめているような人とも出会います。
ここでは、低山登山でありがちな人的ミスについて5つご紹介します。
(1) 適当な服装と持ち物で登る
「いけるっしょ!」と思ってやっているのかはわかりませんが、低山登山では時々「この人、こんな装備で大丈夫かな?」と思う人とすれ違います。
Tシャツ、短パン、スニーカー、タオル……終わり。
みたいな人です。
水は持ってなさそうなのに、スマホだけはしっかり持っている人もいた気がします…..。
(2) 道に迷う
ローカルな低山の場合、人気のある山と比べて、山の情報が少ないことがあります。
登ってみて初めて「こんなコースだったのか」とわかったり、標識や看板などの目印があまりなかったりといった具合です。
そんなことから、意外と低山の方が道に迷いやすいのです。
低山でも地図アプリや紙地図などを持つようにして、道迷いには注意しましょう。
(3) 「暑すぎる!!」、でも対策がない
夏の低山は、高山と比べると暑いことがよくあります。
標高2,000mなどの山の場合は、標高が高いため、山頂に近づくほど涼しくなっていきますが、低山の場合は、平地とそれほど気温差がないからです。
さらに樹林帯(樹木に覆われた場所)となると、もうとにかく暑いですね……。
風が通らないエリアで登っていると、滝のように汗が吹き出てきます。
水や帽子などの暑さ対策をしていないと、もうどうしようもありません。
(4) 脱水症状やエネルギー切れ
気軽な気持ちで低山に登って、「うわっ、暑い!」と思ったとき、水分を持っていないとオワリですw
夏場は、脱水症状になる可能性が高まります。
また、ビスケットや熱中飴などの行動食も大事ですね。
予想よりも歩行距離があったときに食べ物を持っていないと、エネルギー切れを起こして動けなくなることがあります。
そうなるともう、フラフラです。
(5) トラブルが起きても、周りに誰もいない
低山の中でも、あまり知名度のない山では、ほとんど人と出会いません。
登山者は自分一人だけ、ということもありますね。
もしも、そんな状況で体調不良になったり、トラブルに巻き込まれたりしたら、頼れるのは自分と仲間だけです。
電波がつながらない環境であれば、レスキュー隊もすぐには来られないでしょう。
標高の低いローカルな山では、周りに助けてくれる人がいない可能性も想定して、装備を整えておく必要があります。
登山前にやっておきたい準備
標高が低い山は気軽に登れるのが魅力ですが、山であることには変わりません。
低山といえど甘く見ずに、登山前には以下の準備を最低限しておきましょう。
山の情報を調べておく
登山をするのであれば、歩行時間や距離などのコース情報は欠かせません。
その場のノリで登ると、下手したら命に関わります。
体力的・技術的・装備的にヤバいかなと思ったら、途中で引き返す勇気も必要ですよ。
登山にふさわしい服装と道具を持って臨む
「キャンプや観光のついで」に登山をするのが悪いとは思いませんが、自分が登山にふさわしい服装をしているかどうかは事前にチェックしておきましょう。
夏場は水分補給も多くなるので、水やスポーツドリンクなども十分持つようにします。
自分以外の登山者が誰もいなくても、安全に登って降りて来れる準備が必要です。
まとめ
標高が低い山は、簡単に登れるイメージがあるかもしれませんが、すべての山がそうとは限りません。
同じ山でも複数コースがある場合には、コースによって難易度が変わることもあります。
低山だからといって甘く見て、何の準備もなしに登るのは危険ですね。
標高が低くても山は山なので、きちんとした登山の服装と持ち物を整えてチャレンジするようにしましょう!