キャンプの子どもの服装にずっと悩んでいませんか?
キャンプの服装は普段着でも良さそうな気がしますが、暑さや寒さ、天候の変化に対応するためにも、しっかりとした服装を準備したいところです。
機能性に注目して服装を選べば、家族や友人とのキャンプもより快適に楽しめるでしょう。
そこで今回は、キャンプの子どもの服装についてご紹介します。
対象は主に小学生ですが、基本的な服装の考え方は幼児でも同じです。
野外教育を専門にする、アウトドア歴6年以上の自然体験教育者が、初心者でもわかるように解説しますよ!
キャンプの服装選び、3つのポイント
キャンプが楽しいものになるかどうかは、服装を含めた事前準備にかかっています。
以下の3つは、子どものキャンプの服装を決めるときの基礎知識となるので、ぜひチェックしておきましょう。
(1) 軽くて動きやすいウェアを選ぶ
キャンプで着る服は、軽くて動きやすいものを選びましょう。
キャンプではテントの設営をしたり、ちょっと森に探検に出かけたりと、子どもはさまざまな動きをします。
普段着でもアウトドアで使えるものはありますが、ジーンズは動きにくいので、キャンプではNGです。
(2) 汚れてもいい服装
自然の中で行うキャンプは、どうしても汚れやすい活動です。
親御さんとしては「洗濯物を増やしたくない」と思うかもしれませんが、子どもが気をつけていても、雨が降ったりすれば衣服は濡れますし、泥が跳ねることもあります。
キャンプでは汚れてもいい服装か、アウトドアウェアなどの汚れに強い服を選ぶいいでしょう。
(3) 服の素材は、化学繊維が中心
服の素材は、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維を選びましょう。
化学繊維は汗の乾きが早く、軽い素材です。
綿(コットン)は着心地こそいいのですが、濡れるとなかなか乾かず、衣服も重くなります。
濡れた状態で風に吹かれると、体温が下がりやすいので注意が必要です。
ただ、化繊素材は燃えやすいので、焚き火や野外炊事などの火を使う場面では、燃えにくい綿素材や防火加工のウェアで対応するようにしましょう。
キャンプの服装は “ 重ね着 ”
アウトドアでは雨風や体温の変化に対応しやすいように、重ね着をするのが基本です。
これはキャンプだけでなく、登山でも同じです。
出かけたときは晴れていても、急に雨が降ってきたり、強風が吹いたりするなどは自然の中ではしょっちゅうあります。
厚手のジャケット一枚だと子どもは体温調節がしにくく、暑くなったり、寒くなったりを繰り返してしまうでしょう。
上着はプルオーバーよりも、ファスナータイプの方が脱ぎ着がしやすいですよ。
【初心者でもわかる】子どもキャンプの服装まとめ
キャンプでは、大人も子どもも寒暖差に適切に対処できる服装をしておく必要があります。
特に団体の教育キャンプに参加する場合は、雨の日も外で動くことが多いので、服装によって「楽しさ」も変わってくるでしょう。
以下の表は、子どものキャンプの服装をまとめたものなので、服装の準備に活用してみてくださいね。
【パッと見でわかる!キャンプの子ども服装一覧】
【※】 は、キャンプの目的・活動によって選択
素材(すべてに共通) | ・化学繊維(ナイロンやポリエステルなど) ・火を使う場合は、綿 |
服の色 | ・黒っぽい色以外を着用(黒はハチを刺激するため) |
インナー | ・吸汗速乾性のTシャツ or 長袖 |
防寒着(アウター類) | 【以下のような服(フロントファスナー付き)】 ・フリース ・ウィンドブレーカー ・パーカー ・中綿入りジャケット |
ズボン | ・長ズボン ・ショートパンツ(虫除け対策を) |
下着 | ・化繊素材 or 化繊と綿の混合素材だとなお良い |
くつ下(ソックス) | ・ウールやポリエステルなどの素材 |
シューズ(靴) | ・スニーカー or トレッキングシューズ 【以下は必要に応じてプラス】 ・サンダル ・長靴(雨用) ・マリンシューズ(水遊び) |
帽子 | ・つば付き帽子 or キャップ |
レインウェア | ・ジャケット&パンツ(完全防水+汗ムレ解消機能) ・ポンチョも風が弱ければOK |
※ 水着 | ・ラッシュガードはケガ防止におすすめ |
※ リュック | 【団体のキャンプに参加する場合】 ・40~50L(3泊程度) ・両肩にかけるタイプ ・ショルダーバッグはNG |
インナー
肌着であるインナーには、Tシャツや長袖を着ます。
夏場は汗をたくさんかくので、汗の吸収が良く、乾きが早い、吸汗速乾性(吸水速乾性)のTシャツやドライ加工のものを選びましょう。
寒いときなどは、長袖でもOKです。
防寒着(アウター類)
アウトドアの防寒着は細かくは、中間着と上着の2種類に分けられるのですが、ここではわかりやすくするために、ひとまとめに防寒着としています。
防寒着には、フリースやダウン、ウィンドブレーカーなどがあります。
フリースやダウンは主に保温、ウィンドブレーカーは防風対策が主な役割です。
夏場も朝晩は冷え込むので、薄手のフリースなどの防寒着は必ず用意するようにしましょう。
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ズボン
キャンプでは草で足が擦れたり、虫に刺されたりする可能性があるので、長ズボンの着用がおすすめです。
ただ、夏場は熱中症も心配なので、家族キャンプであればショートパンツを着用してもいいでしょう。
その場合は、虫除け対策を忘れないようにしてくださいね。
こちらの記事もおすすめ >> 【子ども登山の服装】おすすめのキッズパンツ特集
下着
下着はTシャツなどのインナーと同様に、化学繊維の素材が望ましいです。
夏はじっとしていても汗をかきますし、走ったり、遊んだりすればもっと汗をかくので、吸水速乾性のある下着だと、サラッとした着心地が続きます。
ただ、「下着まではさすがに……」と思う人もいますよね。
今はユニクロでも、化繊+綿の下着が買えるので、自宅にある服なども上手に活用すると、コスパ良く子どもの服が揃えられますよ。
くつ下(ソックス)
くつ下は、ポリエステル配合やウール素材だと足元も快適に過ごせます。
子どもは運動量が多いので、おそらく綿のくつ下を履いて走り回っていると、汗でぐっしょりしてしまうでしょう。
吸汗速乾性のある素材がなければ、着替えで対応してもいいかもしれませんね。
シューズ(靴)
キャンプの靴は、スニーカーでも問題ありません。
もし木の根っこが出ている、川辺で石がゴロゴロしているなど地形が不安定な場合には、トレッキングシューズの方が足の保護力が高くなります。
それとは別に、休憩用にサンダルを用意するのもおすすめです。
雨天時の対策としては長靴を用意すると、足元もしっかり防水対策できます。
川などでの水遊びには、肌を露出させないマリンシューズを持っていくといいですよ。
帽子
帽子はマストのアイテム。
夏場は熱中症対策に、春秋などの寒い時期には防寒として使います。
ハットやキャップなど種類が豊富ですが、夏場はつば付きの帽子を選びましょう。
暑いときはたまに帽子を外して、涼しい風を通しましょう。
レインウェア
レインウェアは登山用のものが、キャンプでもそっくり使えます。
レインウェアは、ジャケットとパンツの両方を用意しましょう。
ポンチョは風の弱いときならOKですが、風でめくれると足元がびしょ濡れになります。
登山用のレインウェアは完全防水はもちろん、防風性もあり、汗ムレも解消してくれるので、子どもも過ごしやすいはずです。
アウトドア用のレインウェアは防寒着にもなるので、ウィンドブレーカー代わりに着るのもありですね。
こちらの記事もおすすめ >> 登山やハイキングに必須!子ども用レインウェアのおすすめと選び方
テントで寝るときの服装は?
テント泊だと「寝る服装はどうしよう」と思いますよね?
テント内で寝るときは、ジャージやスウェットなどリラックスできる格好がおすすめです。
パジャマを持っていくのも自由ですが、夜しか着られないうえ、外にトイレに行くときもあるので何かと不便です。
ジャージやスウェットであれば、日中の着替えにもなるなどマルチに使えます。
寝るときは子どもが落ち着けるように、柔らかく着心地のいい服を選んであげるといいでしょう。
着替えは、宿泊日数と活動から考える
着替えは、キャンプの宿泊日数や活動、季節によって量が違ってきます。
車などの家族キャンプで、荷物が多くてもいいのであれば、たくさんあるにこしたことはないでしょう。
以下は、キャンプにおける着替えの目安なので、参考にしてみてください。
- 下着、くつ下、上着(長袖、パーカーなど):宿泊日数分
- Tシャツ:適量。宿泊日数より、少し多めに
- ズボン:2〜3着。少なめで着回しもあり
- アウター:1〜2着。少なめで着回しもあり
Tシャツなどのインナー類は汗濡れや雨による水濡れなども考えると、少し余分に持っておきたいところです。
ズボンやアウターは、もし着回しできるのであれば少なめにすると、全体の荷物量が減らせます。
着替えについては、車やテント内にどのくらい置いておけるのかも考えたうえ、宿泊日数や季節に合わせて、必要枚数を決めるといいでしょう。
【春秋・夏・冬】子どもの服装コーディネート
キャンプでは寒暖差での対応が大事なので、季節によってコーディネートが変わります。
以下は、季節ごとの子どもの服装のコツです。
大人も基本は同じなので、家族キャンプをする人は親子で意識してみてください。
春秋の服装
春秋のキャンプ場はまだ冷たい風が吹くため、保温性も大事。
コーディネートのポイントは、防寒対策と動きやすさです。
- 長袖
- 長ズボン
- アウター(薄手のフリース、パーカーなど)
夏の服装
夏の服装は、日中の暑さと朝晩の冷えの両方に対処する必要があります。
防寒着は、忘れずに持つようにしましょう。
コーディネートのポイントは、熱中症の防止です。
- Tシャツ(吸汗速乾性)
- 長ズボンまたはショートパンツ
- アウター(ウィンドブレーカーなど)
冬の服装
冬の服装は、重ね着によって防寒対策を徹底することが大切です。
帽子や手袋などの小物も使って、肌の露出を少なくしましょう。
コーディネートのポイントは、低体温症の対策です。
- 長袖
- 長ズボン
- アウター(厚手のフリース、中綿入りダウンなど)
- キャップ
- 手袋
キャンプで持っていると便利なアイテム
キャンプでの服装については、ここまででひと通りご説明してきました。
以下では服装と合わせてプラス、キャンプで持っていると便利なアイテムについてまとめました。
- 軍手
- 虫除けスプレー
- ヘッドランプ
- カイロ
軍手は野外調理で手の保護に使えるだけでなく、寒いときは防寒対策としても役立ちます。
虫除けスプレーは肌の露出が増える、夏場に欠かせないアイテムですね。
頭に取り付けるヘッドランプは、夜にトイレに行くときなどに使えます。ランタンと一緒に持っておくと便利です。
寒い季節にはカイロをポケットに入れたり、貼ったりしておくと体もぽかぽか。使い捨てカイロのほか、アウトドアで使いやすい充電式カイロもありますよ。
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まとめ
キャンプにおける子どもの服装は、軽くて動きやすいものを選ぶことが大切です。
夏場は汗を吸ってくれて、乾きも早い、吸汗速乾性のTシャツなど着るようにしましょう。
朝晩はわりと寒いので、ウィンドブレーカーやパーカーなどの防寒着も必須です。
春秋の服装は保温性を意識しながらも、汗濡れからくる汗冷えを起こさない注意しましょう。
着替えは宿泊日数や活動に合わせて選ぶようにして、Tシャツや下着は少し多めに持っていくようにします。
夏でも天候によっては、ウェアが全然乾かないこともあるからです。
子どもはもちろん、親御さんもしっかりと服装の準備をして、キャンプで楽しいひとときを過ごしてみてくださいね!