おそらくこの記事を読んでいるのは、環境保全への意識が高い人だと思います。
「自然の中で活動する以上、少しでも環境に優しくありたい」
そんな感じではないでしょうか?
キャンプ場で直火が禁止されている場合があるように、自然環境への影響を考えると、食器用洗剤も環境に優しいものを使いたいですよね。
そこで今回は、キャンプで使える食器用洗剤と見分け方についてご紹介します。
私は自然体験教育者を名乗っておきながら、恥ずかしくもよくわかっていませんでした。
一緒に勉強していきましょう!
キャンプ場で合成洗剤は使えない
キャンプ場によっては、ジョ○やキュキュ○など、いつも家で使っている合成洗剤が使えないことがあります。
合成洗剤とは、化学的な物質が含まれた洗剤です。
キャンプ場で使えない理由は、下水道の処理設備が整っていない場合があるからです。
自宅であれば下水処理が整備されているので、水は川や海へ排水される前に浄化されます。
しかし、キャンプ場にはその設備がない場合があります。
「洗剤はいつも使っているやつでいいか」とキャンプに持っていくと、知らないうちに環境に悪影響を与えてしまう可能性があります。
キャンプで使える食器用洗剤と見分け方
キャンプ用の洗剤を選ぶときは、容器側面や裏面に記載された「品名」と「成分」に注目してみてください。
食器用洗剤には、石けんと合成洗剤の2種類があります。
このうち自然環境に優しいのは、品名に「〇〇石けん」と記載されたものです。
石けんの主成分には
- 脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム
- 石けん素地
- カリ石ケン素地
と記載されています。
注意したいのは、洗剤パッケージに「植物由来で環境に優しい」「オーガニック由来」と書かれているからといって、必ずしも環境に優しいとは限りません。
なぜなら、合成洗剤の原料にも植物などの天然油脂が使われているからです。
洗剤の原料等については込み入った話となるので、
「商品が早く知りたい」
「小難しい話は聞きたくない」
という人は、以下の洗剤を選ぶといいでしょう。
※ 洗剤について詳しく知りたい方は、次の見出し「界面活性剤について」をご覧ください。
スプレータイプもありますよ。
下記のヤシノミ洗剤とフロッシュの品名は、「石けん」ではなく「台所用合成洗剤」です。
でも、こちらも環境に配慮された洗剤です。
手肌に優しく、使用後は自然界の微生物によって、水と二酸化炭素に分解されます。
ヤシノミ洗剤はキャンプ場でもよく見かける印象がありますし、教育キャンプでも使った経験がありますね。
「合成」だと全然違う。界面活性剤について
キャンプで合成洗剤がNGとされるのは、成分に合成界面活性剤が含まれるからです。
そもそも界面活性剤とは、油や汚れを落としやすくする物質をいいます。
石けんも界面活性剤の一種ですが、天然素材(パーム油など)のみを原料としているため、海や川に排水されても微生物の分解力で自然に還ります。
しかし、合成界面活性剤は別です。
合成洗剤の原料にも天然素材が使用されますが、そこには石油も含まれます。
合成界面活性剤は、汚れや油が落ちやすいように化学的に生まれた物質であるため、石けんのように自然に優しいとはいえません。
むしろ人体や生態系、水環境に影響を与えることが懸念されています。
同じ界面活性剤でも「合成」の一言が付くだけで、だいぶ違いますね。
家庭用品品質表示法でも界面活性剤は、「石けん」と「石けんでないもの」に区別されています。
ここで「石けん」と呼ばれるのは、先に説明した以下の成分を主成分とする洗剤です。
- 脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム
- 石けん素地
- カリ石ケン素地
上記以外を主成分とする洗剤は、すべて「石けんでないもの」であり、合成界面活性剤(合成洗剤)です。
合成洗剤のメリットは、汚れや油の落ちやすさにありますが、アウトドアでは環境に悪影響を与える可能性があるので、使用は控えないといけませんね。
洗剤は、持参か設置済みかの2パターン
キャンプ場によっては、環境に優しい洗剤が事前に設置されている場合があります。
道具を借りるのであれば、そこに入っていることもあるでしょう。
しかし、洗剤を持参しなければならないキャンプ場も多いので、出発前にキャンプ場の規則を確認しておくといいでしょう。
わからないときは、とりあえず持っていくことをおすすめします。
知らなかった……。 私の言い訳
私は恥ずかしながら、洗剤についてはよくわかっていませんでした。
「なぜ、知らなかったんだろう?」と疑問に思ったのですが、たぶん以下の理由だと思います。
- 登山だと洗い物をしない
- 他の人に洗剤を用意してもらっていた
- 国立の施設を利用していた
登山では、基本的に洗い物はしません。
キャンプ場のように炊事場もないので、コッヘルなどの食器類はトイレットペーパーで拭いて終わりです(山では普通のことです)。
使った食器については、家に帰ってからちゃんと洗っていました。
キャンプも団体や事業でやるのが中心だったので、洗剤は他のスタッフに用意してもらうことが多かったですね。
炊事場で「洗剤の泡立ちがあんまり良くないな」と思うことはありましたが、洗剤の種類についてはあまり気にかけていませんでした。
いずれにせよ、よくわかっていなかったので、これからは気をつけたいと思います。
まとめ
キャンプ場では、普段家で使っている洗剤が使えない可能性があります。
成分に合成界面活性剤が含まれた、いわゆる合成洗剤です。
私もよくわかっていなかったので偉そうなことは言えませんが、洗剤は自然環境に優しいものを選びたいですね。
ご紹介した植物由来や無添加の洗剤なら、環境にも配慮されています。
この先10年、20年とアウトドアを楽しんでいくためにも、自然にかかる負荷は少しでも減らしていくようにしましょう。