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子供だけのキャンプ

心配で迷う…子どもだけが参加するキャンプの注意点やよくあるQ&A!

子供だけのキャンプ

NPO法人や民間団体などがやっている、募集型キャンプに子どもを参加させるかどうか迷っていませんか?

子どもが行きたいと言っているけれど、親が心配してしまうケースは少なくありません。

そこで今回は、子どもだけが参加する募集型キャンプでよくある、“親の悩み事・心配事”についてまとめました!

私が市役所職員として青少年教育を担当していたときの経験やアウトドア専門学校で野遊びの企画・運営をしていたときの経験から解説しますよ!

キャンプの参加理由は「子ども自ら」か「親が参加させたいか」の2パターン

サマースクールなどの子ども向けキャンプを実施し、参加者を募集している多くは、市町村や自然体験学校などの団体です。

以前、キャンプにきた子どもに参加理由を聞いたところ、「子ども自ら行きたい」と思ったパターンと「親に行ってこいと言われた」というパターンの2つがあることがわかりました。

おそらく親御さんが子どもに行ってほしくて「行っといで〜」というときは、あまり親御さんもキャンプに対して不安を感じていないのでしょう。

しかし、子どもが自らの意思でキャンプに参加したいと言っている場合、逆に親が「うちの子、大丈夫かな…」と心配になってしまうケースもあります。

普段の生活で子どもの性格や特徴をよく知っているだけに、「本当に参加させて大丈夫だろうか…」と思ってしまうのも無理はないですね。

子どもだけのキャンプには、どんな子が集まるの?

私が教育委員会やアウトドア専門学校で子ども対象のキャンプを企画したときは、だいたい以下のような感じの子が集まっていました。

  • 兄弟または姉妹
  • 一人っ子
  • 外遊びが好きな子
  • 元気で活発な子
  • おとなしい子
  • 親が忙しい、またはなかなか遊びに連れていけない家庭の子

子ども対象のキャンプに参加する子は、必ずしも「元気でアウトドア好き」というわけではないんですね。

おとなしい子もいれば、キャンプが初めてという子もいます。

初参加の場合だと、親が子どもに「いろいろな体験をしてほしい」といった理由で申し込むこともあります。

参加対象が小1〜6年生までなど広範囲のときは、兄弟で申し込んでくる人も結構多いですね。

何事もきちんとしている子からマイペースな子まで、さまざまな子が募集型のキャンプには参加してきます。

心配で迷う…。よくあるママやパパのQ&Aまとめ

先ほどお伝えしたように、子どもがキャンプへの参加を望んでいても、親が「大丈夫かな…」と思ってしまうケースは少なくありません。

心配や不安の対象は子どもだけでなく、プログラム内容やスタッフなど運営側に対するものであることもあります。

ここでは、参加者のママやパパなどから寄せられるよくあるQ&Aについて、私の経験からまとめました。

Q:一人で参加するんだけど、大丈夫?

子どもだけのキャンプには、一人で参加してくる子も多くいます。最初は不安に感じるかもしれませんが、グループのみんなと一緒に活動していく中で、自然と仲が深まっていくようです。スタッフも一人になっている子に対しては、無理させない範囲で、他の子と仲良くできるよう気を配ります。

Q:女の子の参加者は少ないの?

どんなキャンプに申し込むかにもよりますが、私の経験上、キャンプの男女比は5:5くらいでほぼ変わりません。小学生向けのキャンプでも女の子はたくさん参加しています。もし不安であれば主催先に電話して、例年の参加状況を聞いてみるといいですよ。

Q:仲のいい子と同じグループになれる?

この質問は、市役所職員時代にキャンプ事業を担当していた頃、結構ありました。

結論からいうと、兄弟や仲のいい子とは、必ずしも同じグループになれるわけではありません。

気持ちはわかりますが、参加者全員の希望を聞いてしまうと、人数や男女比、学年などが偏ってしまうからです。

仲のいい子と別々になるのは不安も大きいと思いますが、子どもたちがキャンプで新しい友達をつくっているのを何度も見ているので、きっと大丈夫ですよ。

Q:スタッフはどんな人がやっているの?

キャンプを実施するスタッフは、参加するキャンプによって違います。

たとえば、私が以前勤務していた市の教育委員会主催キャンプの場合は、責任者が職員で、各グループ担当などは青少年ボランティア団体のお兄さん・お姉さんが中心です。

アウトドア専門学校主催のキャンプの場合は、責任者がキャンプディレクターなどの資格を持つ自然体験指導者で、各グループ担当は野外教育を勉強した学生でした。

そのため、キャンプスタッフには自然体験の専門家だけでなく、アルバイトや学生も結構参加しています。

ただし、安全管理の問題上、責任あるポジションにはベテラン職員や自然体験の熟練スタッフが基本的に配置されます。

Q:女性スタッフはいる?

またキャンプには、たいてい女性スタッフもいますが、主催先によっては男性スタッフのみということもあります。

女の子の保護者などで心配な方は、スタッフについても事前に確認しておくといいでしょう。

個人的には、男性スタッフだけでは女の子のケアが難しいこともあるので、キャンプを楽しく過ごすためや事件性の回避から、少なくとも1人は女性スタッフが必要だと思っています。

Q:アレルギーもあるし、食後に薬も飲まないといけないんだけど…

大丈夫です。アレルギーや薬などについてもスタッフは配慮してくれます。

アレルギーや薬の服用状況については申込書などに記載することも多く、事前にスタッフ間で把握する体制をつくっています。

食事中の管理から薬のタイミングまで、子ども一人一人をケアしてくれるでしょう。

Q:年上・年下の子とうまくやっていけるか心配…

キャンプによっては、年上や年下の子が混ざったグループになることもあります。

そこでは各グループの担当スタッフが、上手く子ども同士の中を取り持ちます。

高学年や低学年など年齢に合わせて役割を与えたり、できそうな子には同じグループの他の子の面倒を見てもらったりといった感じです。

子ども一人で全てうまくやる必要はまったくないので、「お任せします!」とスタッフを頼ってキャンプに送り出してあげるといいですね!

子どもだけのキャンプに参加させるメリット

親子キャンプではない、子どもだけのキャンプに参加させることには、どんなメリットがあるのでしょう?

子ども対象のキャンプには、たとえばこんなメリットがあります。

【キャンプに参加するメリット】

  • 同じ学校、学校以外の新しい友達ができる
  • 食事の準備など、親に対して「ありがとう」の気持ちが育つ
  • 自宅の快適さ、居心地の良さに気づける
  • 自分のことが自分で少しできるようになる(片付け、整理整頓など)
  • 得意なことや好きなことが見つかる
  • 同学年や年上、年下とのコミュニケーションが身に付く
  • 楽しい思い出が増える

【保護者のメリット】

  • 夏休みの子どもの世話から解放される
  • 外出したり、家でくつろいだりなど自由な時間ができる
  • 仕事に集中しやすい
  • 少し成長して帰ってきた子どもに会える

一回キャンプに行ったからといって、急に家の手伝いなどをするようになるわけではありませんが、ほんの少しだけ子どもは成長します。

私が市役所職員をしていた頃の話ですが、保護者の方からお礼の手紙をもらったことがありました。

「〇〇キャンプに参加したことで、娘が前よりも積極的になりました。どうもありがとうございました」といったような内容です。

子ども募集型のキャンプは、普段の学校生活とは違う環境でおこなわれるため、子どもの新しい一面を発見することもあります。

「年下の面倒を見る」「周りに声をかける」「他の子の荷物を持ってあげる」など、キャンプ後に親に報告すると「うちの子、そんなことできたんだ」と驚かれるケースも少なくありません。

子どもだけのキャンプに参加するときの注意点

子どもだけのキャンプに参加するときの注意点は、2つに分けることができます。

一つは、親から子どもに伝えておきたい注意点で、もう一つは親も関係する注意点です。

1.子どもに伝えておきたい注意点

  • スタッフの言うことはちゃんと聞く
  • 体調が悪いときは、無理せずスタッフに言う
  • トイレは我慢しない
  • 自分の荷物を散らかさない

キャンプでは、スタッフの言うことをちゃんと聞くようにしましょう。決められたルールを守らないと、野外でケガをすることもあります。

また、キャンプ場のトイレに抵抗を感じる子ども少なくないですが、トイレは我慢せず行くようにしましょう。

テントでは自分の荷物や着替えをまとめて置くようにして、他の子の迷惑にならないようにしてくださいね。

2.親も関係する注意点

親も関係する注意点とは、キャンプの申込みや事前準備などに関することです。

  • キャンプ日数の長さ
  • リュックの中身は、子どもと一緒に入れる
  • アレルギーや薬の服用がある際は、事前に主催者に伝える
  • 不安や心配事なども、とりあえず主催者に伝えておく(ex.性格的なこと、夜のトイレなど)
  • 持ち物には名前を書く

初参加で1週間などの日数が長いキャンプに参加するときは、注意が必要です。

子どもが楽しんでいれば問題ないのですが、キャンプ自体が合わなかったときにはしんどい思いをします。

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キャンプで持っていく荷物については、子ども本人に入れてもらうか、保護者と一緒に入れるようにしましょう。

子どもがキャンプ場で「軍手やヘッドライトなどが、リュックのどこに入っているかわからない」というのは、あるあるです。

アレルギーや薬の服用について、事前に配布される健康調査票などに記入して、しっかり伝えましょう。

まとめ

子どもだけのキャンプには、さまざまな子が参加してきます。

初めて参加させる親としては「うちの子は大丈夫?」と思うかもしれませんが、たいていは大丈夫です。

うまく他の子と関われないときや一人で解決できないことがあれば、各班のスタッフがサポートしてくれます。

大人の世界もそうですが、結局のところキャンプも行ってみて初めて楽しいか、そうでないかがわかります。

そして、楽しいかどうかを判断するのは、子ども本人です。

子どもが行きたくないと言っている場合には、無理に参加させる必要もないと思います。

でも、子ども本人が希望しているのであれば、一度チャレンジさせてみるのもいいかもしれませんね。