「アウトドア関係の資格でも取ろうかなぁ」
そんなことを考えていませんか?
資格取得はわかりやすい目標なので、多くの人が取り組んでいます。
資格はアウトドアの知識と技術の証明であり、一定のステータスとなるため、他人からも「この人、アウトドアに詳しそう」といった印象を抱いてもらえるでしょう。
私もアウトドア専門学校在学中に、
- キャンプディレクター2級
- 自然ガイドステージⅡ
- ネイチャーゲームリーダー
- NEALリーダー
- 国内旅行業務取扱管理者
など、いくつかの資格を取得しました。
でも、私自身は、特に資格にこだわりがありません。
資格は持っていて役に立つときもありますが、そうでない場合も多いからです。
難しい試験であるほど学習時間も費やすことになるので、本当に取るべきかどうかの見極めが重要です。
そこで今回は、アウトドアの資格取得を目指す前に考えたい3つのことについてご紹介します。
アウトドア系の資格取得を考えている方は、参考にしてみてくださいね。
アウトドアの資格取得を目指す前に考えたい3つのこと
「資格取得に向けて勉強しよう」と思うことは、とても素晴らしいことです。
意識高く、貴重な時間を使って、自分の知識や技術に磨きをかけていこうとしているわけですからね。
でも、ちょっと待ってください!
ただ、キャンプや登山などに関わる自然体験指導者の活動がしたいからといって、闇雲に資格を取得しようと思っているのであれば考えものです。
アウトドア関係の資格取得を目指そうと考えている人は、以下の3つを自分に問いかけてみるといいでしょう。
(1) 趣味か?仕事につなげたいのか?
あなたはなぜ、アウトドアの資格を取りたいのでしょうか?
- おもしろうだから
- アウトドア関係の仕事がしたい
- 自然に詳しくなりたい
人によって、資格取得を目指す理由はさまざまです。
正直、目的は何でもいいと思います。
キャンプが好きで、「楽しそうだから」という理由で資格取得を目指すのもいいでしょう。
大切なのは、資格取得の目的を明確にすることです。
趣味なら資格取得がゴールでもいいと思いますが、もしアウトドアを仕事にしたいと考えているのであれば、資格取得はゴールではなくスタートです。
「なぜ、自分はこの資格を取りたいのか?」を明確にしておけば、無駄な時間も使うこともなく、失敗も避けられます。
何をしていいかわからないときほど、「とりあえず資格を取得しよう」と思いがちですが、闇雲に資格に挑戦することはおすすめできません。
頑張って資格を取った後はいいけれど、「全然意味がない」「使えない」と感じやすくなるからです。
資格を取るときは、目的をはっきりとさせておきましょう。
(2) その資格がないとできない仕事?
あなたがやりたいことは、本当にその資格がないとできないのでしょうか?
資格の勉強には、多くの時間を費やします。
通勤・通学のスキマ時間を使ったり、休日に講習を受けたりと、大なり小なり自分の時間をそこに投資することになるでしょう。
だからこそ、その資格が本当に自分に必要なのかについて考えてほしいのです。
私は自然体験指導者として、子どもの野外活動に関わることもありますが、正直、キャンプやクラフト、野外ゲームなどの活動は資格がなくてもできます。
医師や弁護士など資格取得が条件となっている仕事は別として、大半の仕事は資格がなくてもできるものばかりです。
自分がほしいのは資格なのか、知識や技術なのか。
その点を今一度、自分に問いかけてみてはいかがでしょうか?
(3) 取った資格をどう活かすか?
専門学校などであれば、授業を通じて比較的ラクに資格が取れるので、とりあえず資格を取っておくのもいいでしょう。
ただ、その場合も「この資格は本当に必要かどうか」について考えてみることをおすすめします。
私はアウトドア専門学校の在学中、そうしていました。
- その資格は、将来どう活かせるのか
- 本当に自分に必要か
- 時間を費やすだけの価値はあるか
などです。
資格勉強には多くの時間を費やすので、資格によっては「これはいらない」と思って、取らなかったものもあります(たしか生物系の資格だったかと)。
ここでいう「活かす」とは、必ずしも就職や仕事につなげることだけを意味しません。
- プライベートのキャンプに役立てる
- アウトドアや自然の正しい知識を習得する
- 知識の幅を増やす
など、普段のアウトドアをより楽しむために、資格を活かす方法もあります。
資格は下手をすると取っただけで終わってしまうので、資格を取るときは「その資格を今後、将来どう活かすか」についても、先に考えておくといいでしょう。
資格取得の価値は、プロセスにこそある
私は資格取得の本来の価値は、資格を取得までの学びにあると思っています。
テキストでも講習会でもいいのですが、資格を取る過程で得た知識や技術、講師からのアドバイス、自分の中であった気づきなどです。
特に資格がなくてもできる仕事でこそ、資格習得の過程で得た学びや専門性は、顕著に発揮される気がします。
また、たとえ資格が取れなかったとしても、勉強で得た知識や費やした努力は、必ずどこかで役に立ちます。
ギアや道具はなくしたり、壊れたりもしますが、身に付けた知識や技術は失うことがなく、確実に自分の中に蓄積されていくからです。
“資格”は、取得そのものにフォーカスしがちですが、資格取得までに「どんな知識や技術を身に付け、吸収したか」の方がはるかに大切で、実用的だと思います。
まとめ
資格取得は、とてもわかりやすい目標です。
しかし、何となく資格取得を目指してしまうと、頑張って勉強して取ったわりに「全然使えない」「持っているだけ」で終わってしまうこともあります。
趣味であれば資格取得がゴールでも構わないと思いますが、もし仕事につなげたいと思うのであれば、資格を取ってからが本当のスタートです。
それにやりたいことによっては、必ずしも資格は必要ないかもしれません。
「おもしろそうだから」
「楽しそうだから」
そんな気持ちも大切にしながら、資格取得を目指すかどうか考えてみるといいですね。