道路や公園にはよく、背の高い白い花が咲いています。
これです ↓
この花はハルジオン、もしくはヒメジョオンという花のどちらかです。
ハルジオンは、YOASOBIやバンプオブチキンなどの曲名に使われていますが、この白い花、どっちなのか分かりますか?
この2つの花はとてもよく似ているので、植物の知識がないと区別ができません。
私も久々に観察してみたのですが、「どっちだっけ?」と迷いました。
そこで今回は、ハルジオンとヒメジョオンの違いと見分け方についてご紹介します。
実際にこの白い花を観察した結果もご紹介していくので、一緒に見分けられるようになっていきましょう!
【見分け方】ヒメジョオンとハルジオンの特徴
道端によく咲いている白い花である、ハルジオンもしくはヒメジョオン。
この2つを区別するときには、以下の違いを覚えておくと役に立ちます。
【ヒメジョオンとハルジオンの違い・特徴】
ヒメジョオン | ハルジオン | |
葉のつき方 | 茎を抱かない | 茎を抱く |
茎の中 | 芯がある | 芯がない(空洞) |
つぼみ | うなだれる | 大きくうなだれる |
花期 | 5〜11月 | 4月中旬〜6月頃まで |
花の色 | 純白 | ピンクっぽい白。もしくは白に近い色 |
花弁 | やや太め | 細い |
この中で特に覚えておきたいのが、
- 葉が茎を抱くか、抱かないか
- 芯があるか、ないか(茎を切ったとき)
- つぼみが垂れる、垂れないか
の3点です。
「茎を抱く」とは、葉っぱが茎に巻きついているように見えるかどうか、という意味です。
ではここで、ハルジオンとヒメジョオンを区別するための、最強の覚え方をご紹介しておきます。
「ヒメを抱かずに、ハルを抱く」
葉はヒメジョオン(姫)を抱かず、ハルジオンに覆い被さるようにつきます。
やや大人向けの覚え方ですね(アウトドアの学校で教わりました)。
これだけでも、両者を区別しやすくなるのではないでしょうか?
ちなみに花が咲く時期や色は、個体によって変化する可能性があるので、補足的に使うのがいいと思います。
君はどっち? “白い花” を実際に観察してみよう
ハルジオンとヒメジョオンは、植物の専門知識がないとなかなか区別できません。
しかも、自然物はロボットではないので、図鑑の特徴と実際の花の特徴が一致しないこともあります。
本当、植物や木を調べるのは難しいですね……。
そんなわけで、今回実際に公園で「この白い花はハルジオンかヒメジョオンか」について観察してみました。
ちなみに観察時期は、7月初旬です。
観察1:つぼみを見てみる
まず、つぼみを観察してみました。
つぼみは、垂れているように見えます。
では、この花はハルジオンでしょうか?
念のため、まだ断定はしないでおきます。
観察2:葉の付き方を見てみる
葉のつき方を見ると、茎にくっついているのであって、抱いてはいないように見えます。
そうなると、ヒメジョオン(茎を抱かない)の可能性があります。
巻いているといわればそうも見えるので、いよいよ迷宮入りしてきました……。
観察3:茎を切ってみる
最終手段で、茎を切ってみました。
これでわかるはず!
おっ。ちょっとピントがズレていますが、空洞がありますね。
でも、ハルジオンなもっとはっきりとした空洞のはずなので、なんだか微妙……。
余計に頭を悩ませただけでした。
最終的には、ヒメジョオンと断定
結論として、この白い花はヒメジョオンだと思いました。
それは、以下の理由からです。
- ハルジオンなら葉のつけ根は、もっとお尻(ハート型)みたいな形をしている
- 観察時期が7月なので、ヒメジョオンの可能性が高い
- さらに茎の下側を切ってみたところ、しっかりと中身が詰まっていた
- 花の色が純白
1番の決め手は、やっぱり葉のつき方ですかね。
ハルジオンの葉のつけ根は、先の画像のような「お尻みたいな形」をしています。
また、これは後で調べた結果ですが、どうやらヒメジョオンでもつぼみが垂れることがあるようです。
ただ、ハルジオンの場合はヒメジョオンよりも、つぼみが “大きく“ 垂れ下がるので、その点で区別できます。
そのような理由で、今回観察したこの花は、ヒメジョオンだと思いました。
まとめ
ハルジオンとヒメジョオンを見分けるポイントは、以下のような点です。
- 葉が茎を抱くか、抱かないか
- 芯があるか、ないか(茎を切ったとき)
- つぼみが垂れる、垂れないか
それでも「わからない……」という場合は、スマホの「Google レンズ」で撮影してみるといいかもしれません。
検索結果が100%正しいとは限りませんが、ちょっとした判断材料や参考になります。
図鑑としては、こちらの図鑑がおすすめです。
『野草のおぼえ方』には上下巻がありますが、ハルジオンとヒメジョオンの違いを知るだけであれば、上巻だけで十分です。
ハルジオンとヒメジョオンなど植物の見分けができるようになると、自然の中を歩くのがもっと楽しくなるはずですよ。